事例8 遺産分割協議に成年後見が必要
前提
Aさんがなくなり、相続人は兄弟の3人でした。
しかし、Aさんの相続人の一人Bさんはすでに亡くなっており、
代襲相続が発生しておりました。Bさんには、4人の子供がおり、
そのうちの一人Cさんは、現在、判断能力が著しく低下しており、
意思の疎通が困難な状況であるため、施設に入所しております。
経緯
Aさんの相続財産は、銀行口座にいくばくかの預金があるのみです。
話し合いの末、Dさんが相続するということになり、
銀行におろしに行ったところ、相続人全員の署名と実印の押印を求められました。
そこで、Cさんの状況を説明したところ、成年後見を立てて欲しいと言われ、
Bさんの子供Eさんが相談に来られました。
ポイント
- 成年後見は、被後見人が亡くなるまでの財産管理・身上監護を代理人として行うことが前提のため、相続手続きが完了したら成年後見業務が終わるわけではない。< /li>
- 専門家を成年後見人に選任すると、専門家への報酬がかかる。< /li>
- 相続人を成年後見人に選任すると、利益相反になるため、遺産分割協議に関し、特別代理人あるいは、成年後見監督人が必要になる。< /li>
- 成年後見の申立て手続きには、時間がかかる。裁判所によっては、申立をするための予約が必要になり、忙しい裁判所では1カ月先になることもよくある。< /li>
結果
早く手続きを完了させたかったEさんにとっては、
手続きに時間がかかるということで非常に驚いておられましたが、
Bさんの息子さんが成年後見人になるということで、話しがまとまりました。
成年後見人を誰にするかという問題は、今後、多く発生してくることだと思われます。
被後見人の今後の人生を左右するだけに、候補者を選ぶ際には慎重に検討する必要があります。
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