「土地の境界が確定している」といえば、次の要件を満たしていることをいいます。
- その土地の境界に永久的な境界標識が設置してある。
- 隣接土地所有者などの利害関係人がその境界線を認めた書面がある。
- 実測面積と公募面積が合致している(法務局にその土地の地積測量図が備え付けてある)
従って過去に一度も境界を確認するような測量をしたことがない、
あるいは測量したが境界は確認していない場合は「境界未確定の土地」ということになります。
土地の確定測量をする、つまり境界を定める必要性は
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土地売買において、買い手側からの要望。
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建物建築時に境界を明確にする必要がある。
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公簿地積より実測地積がかなり上回っている場合、土地の担保価値を高める。
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相続税物納の要件として。
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土地を登記簿上分割(分筆)するため。
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境界紛争の未然防止。
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将来の土地売却に備えて。
確定測量の手順(概略)
- 法務局・市区町村役場にて筆界線を特定するための図面・資料収集。
- 現地測量、これは現地における既設境界標識や境界線付近の構造物の位置関係をデータとして収集することです。この時点で1で収集した資料と測量データを分析し調査士が境界線の査定をします。
- 官有地に測量対象地が接続している場合は、その担当役所に対して官有地境界確定申請をします。
- 民有地と接続している場合は、その土地所有者に対して境界確認立会依頼をします。
- 官有地・民有地ともに現地にて境界確認の立会を行い、利害関係人意見と2で査定した境界線を比較しながら、境界線は決まっていきます。
- 決定した境界線に境界標識を設置します。
- 「境界確定図」を作製し、筆界確認書に利害関係人から承諾印をいただいて回ります。
- 官有地境界確定申請した役所に確定図面を提出すると、公印をついた確定書面が返ってきます。これで境界が確定したという証拠書面が揃うわけです。
- 土地所有者の意志に基づいて、必要であれば「地積更正登記」を行い作業は完了します。
以上が境界確定測量の手順概略です。 所用期間は早くて1ヶ月、
普通で2〜3ヶ月、利害関係人が多数になったり、利害関係が複雑になれば長期にわたり完結に至らない場合もあります。
土地の確定測量を行う時は、前述のとおり何らかの必要性が生じているのですが、
その時では既に時間的に遅すぎる場合があります。例えば相続が発生した場合は、
土地を売却したり物納によって相続税を納めることもあり、売却するには境界確定が必要であったり、
土地の分割が必要であったりします。
広大な土地で借地契約などがあれば、当然確定作業完了まで多大な時間が必要です。
相続税を延納すれば当然利子税も支払うことになり、無駄な費用負担を強いられることもあります。
又建物建築などにおいても、着工までに境界確定が必ず完了するとは限りません。
よって、時間的に余裕のあるうちに土地の境界を確定しておき、
いざというときに備えておくことはとても大切なことなのです。
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