遺留分減殺請求に対して無策の遺言は多い!
遺言で、
特定の方に全財産、または財産のほとんどを相続させる場合があります。
たとえば、
相続人のうち、長男がすべて、次男は相続分なし、
といった具合です。
この場合、
次男には、遺言によっても奪えない相続分として主張できる権利(遺留分)
があります。
遺留分は、法定相続分の半分です。
全財産を相続した方に、
遺留分を請求することを、
遺留分減殺請求といいます。
この請求に対し、
無策の遺言が非常に多いのです。
遺留分減殺請求されるとどうなるのか?
遺言によって、
相続分が遺留分以下になった方から、
遺留分減殺請求を受けると、どうなるのか?
遺留分は、法律上の権利ですので、
全財産を相続したかたは、
遺留分に相当する財産を、
遺留分請求者に相続させなければなりません。
問題は、
どの遺産を遺留分として、
遺留分減殺請求者に相続させるかです。
遺留分減殺請求者に相続させる財産を選べません!
全財産を相続した方は、
どの財産を遺留分減殺請求者に相続させるのか、
自分1人で決めることはできません。
法律上、
遺留分減殺請求されると、
すべての財産が、
共有になります。
たとえば、
長男が全財産を相続し、次男が遺留分減殺請求をしたとします。
相続人は、全部で2人です。
次男の遺留分は、4分の1
財産は、横浜のビル、横浜の土地と建物、川崎の宅地、
川崎の畑、株、預金、とします。
この財産すべてが、
長男4分の3、次男4分の1の共有になるということです。
長男が、
次男に、遺留分として、川崎の畑をあげたいと思っても、
次男が納得しなければ、実現できません。
長男が、横浜のビルで、お父さんから受け継いだ事業をやっている、
こんな場合、次男から横浜のビルにも4分の1の権利を主張されてしまうと、
事業に支障が出てしまいます、
遺留分減殺請求の対象財産を遺言で指定できる
実は、
遺言で、
遺留分を侵害され方が、遺留分減殺請求してきた場合、
どの財産を遺留分としてその方に相続させるのか、
指定することができます。
先ほどの例でいえば、
「次の順番で、遺留分減殺請求の対象とする」
と書いて、
1 川崎の畑
2 川崎の宅地
3 預金
4 株
5 横浜の土地・建物
6 横浜のビル
といった具合にします。
一番守りたい財産を最後の順番にしておくのです。
こうすることで、
長男は、事業に必要なビルをまもることができるのです。
遺言で、遺留分を侵害する内容を書くのなら・・・
遺言で、
特定の方に多く財産を残し、
一方、
特定の方には、遺留分を侵害するほど、
財産を残さないとする方、
いい悪いは別としていらっしゃいます。
こんな遺言を書くには、
それなりの理由があるのでしょう。
こういった遺言を残すのであれば、
遺留分減殺請求の順番の指定は、
必須かもしれません。
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